【講義ノート】人類学B 2019/12/16

インドネシアのバリ島民の世界観についての講義は、今回で三週目となる。

内容が些か古くなってしまったところもあるが、引きつづき、拙著『彼岸の時間』の「象徴としての世界 −バリ島民の儀礼と世界観−」とWEBアーカイブ『世界観の人類学』の「バリ島民の世界観」を題材とする。


バリ島(ポイントはギアニヤール県プリアタン村)

バリ島民の世界観においては象徴的な二元論が高度に発達しているが、その象徴的な秩序は定期的に停止し、反転し、リセットされる。これは、ポトラッチによる富の再分配とも同様の機能を持ち、平等主義を志向する「冷たい社会」を、差異を増大させながら発展する「熱い社会」から区別する特徴でもある(→「労働・貨幣・欲望 −グローバル化する資本主義と〈南〉の社会−」『彼岸の時間』)。



2019/12/16 JST 作成
2019/12/22 JST 最終更新
蛭川立