【講義ノート】「身体と意識」2020/10/08

異なる意識の状態に対応して、異なる現実が体験される、ということで、いちばんわかりやすい例として、睡眠中の夢をとりあげました。

夢分析や夢占いなどについては、とりあげませんでした。心理療法、カウンセリングなどでは、夢の内容を分析することもあります。とくに、精神分析という精神療法の流派では、そういう方法を用います。子どものころの夢、とくに両親との関係が夢に出てくる場合には、それを分析することで、心の問題が解決することがありえますが、現在では、精神分析など、夢には重要な意味があるという考えには疑問が多いとされています。夢の内容の多くは無意味だという説が有力です。

夢の変種としては、入眠時幻覚があります。俗に金縛りというものです。

ふつう、睡眠は、ノンレム睡眠、つまり夢を見ない眠りから始まり、レム睡眠、夢を見る眠りから覚めます。

しかし、体質や状況によっては、レム睡眠から眠りに入るときがあります。たとえば、体がとても疲れていて、意識が覚醒したまま、体のほうが先に眠ってしまう場合などです。

意識ははっきりしているのに、身体だけが動かないので、体の上に誰かが乗っているような重みを感じることもありますし、意識と体がずれてしまったり、意識と体が分離してしまうような感覚になることもあります。完全に分離してしまったような感覚を、体外離脱体験といいます。俗に幽体離脱ともいいます。



記述の自己評価 ★★★☆☆
CE2020/10/08 JST 作成
蛭川立